入国審査:来日外国人の指紋採取スタート

2008年10月06日

毎日新聞 2007年11月20日

入国審査:来日外国人の指紋採取スタート 「仕方ない」「なぜ」交錯 退去者ゼロ
http://mainichi.jp/photo/news/20071120k0000e040046000c.html

 ◇23空港・5港で

 16歳未満や特別永住者らを除く来日外国人から指紋・顔写真採取を義務付ける新しい入国審査制度が20日、全国の空港と港で始まった。テロや不法入国防止が目的だが、外国人の人権制約に対し反発も予想される。入国時に一律に指紋を採取するのは04年に米国が導入して以来、世界で2番目となる。【坂本高志】

 指紋などの生体情報の採取を柱とする改正入管法は昨年5月、成立。法相がテロリストと認定した者の強制退去規定もある。電磁的に採取した両人さし指の指紋などは、その場で指名手配者の情報(約1万4000件)や過去の強制退去者の指紋(約80万件)の「要注意リスト」と照合する。

 また、生体情報は法務省入国管理局がコンピューターで管理し、捜査当局からの照会があれば犯罪捜査にも利用される。政府は例年の入国者数から、毎年600万~700万人分の情報が蓄積されるとみている。日本弁護士連合会や外国人団体などは指紋採取に反対し「採取したとしても照合を完了した時点で消去すべきだ」と主張している。

 この日、航空機や船舶が入ってくるのは23の空港と5港。午前9時現在、採取を拒否して国外退去を命じられた外国人や、要注意リストと一致したのはゼロだった。また、日本人が指紋を登録すれば、迅速に成田空港から出入国できる「自動化ゲート」の受け付けも始まった。

 ◇機械不調、1時間半かかった人も

 航空旅客の6割近くを占める成田空港にはこの日、午前6時過ぎに最初の便が到着。各国からの観光客やビジネスマンらが審査ブースに降り立ち、指紋の採取や顔写真の撮影に応じた。

 パキスタンのアハマド・シャキルさん(43)は「日本では初めての試みなので、審査する側も不慣れなのでしょう。少し時間がかかっても安全のためなら仕方ない」と理解を示した。一方、カナダのルーシー・キャッセさん(61)は「治安のためかもしれないが、指紋を採られると人権の問題も感じる。早く入国したいのに待つのにうんざりした」と顔をしかめた。

 指紋と顔写真を電磁的に読み取る装置は、全国の空港や海港に携帯用も含めて約540台を配備。六つの国・地域の文字で使用法を説明している。採取から要注意リストとの照合まで通常、30秒~1分程度で完了し、全体の審査終了まで最長待ち時間を20分以内にするのが政府目標だ。

 それでも、指紋の読み取りがスムーズにいかずに入力操作を何度も繰り返す入国者も少なくなかった。朝の混雑する時間帯には長い列もでき、いらだつ人も。シンガポールから到着したオーストラリアのポール・ヌンテンさん(42)は機械の調子が悪く別の列に移ったため入国審査が終わったのが1時間半後。「こんなのばかげている」と疲れた表情。同様の審査制度を導入している米国のジュリー・ブームさん(30)は「両手の人さし指を機械に置くだけで簡単。全然気にならない」と話した。

 ◇在日韓国人ら、法務省前デモ

 一方、東京・霞が関の法務省前では、制度に反対する市民団体や外国人ら約60人が「外国人はテロリストじゃない!」、「指紋押なつにNO」などのプラカードを掲げ、デモを行った。在日韓国人の青年はマイクで「長い年月をかけて指紋押なつ制度を全廃した歴史を忘れ、再び外国人を差別するのは許されない」と訴えた。【坂本高志、鈴木梢】







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外国人指紋採取:「拒否者には強制力行使も」…法務省通知
http://mainichi.jp/select/world/news/20071121k0000m040176000c.html
 テロ対策などのため、20日始まった来日外国人に指紋提供を義務付ける入国審査制度で、法務省入国管理局が、指紋提供と退去を拒否する外国人は収容し強制的に採取するよう地方の各入国管理局に通知していたことが分かった。同制度について、法務省は強制的に指紋採取はしないとして「提供」と説明してきたが、拒否者に対して強制力で臨む措置を指示した形だ。「外国人を犯罪者扱いする運用」との批判が強まりそうだ。

 指紋の採取や顔写真の撮影は、空港、港での入国審査時に実施し、その場で入管が保有する過去の強制退去者、国際指名手配犯などのリストと照合。一致した者は入国拒否され、提供拒否も国外退去となる。退去命令にも従わない場合、入管は強制退去手続きに移行し、身柄を空港内の収容場に収容する。その際に指紋を採るかどうかは明らかにされてなかった。

 ところが、今月上旬に出た法務省入管局警備課長通知は「保安上の必要がある時は身体検査できる」などの入管法の規定を根拠に、入国警備官に強制力をもって拒否者から指紋を採取するよう指示。同時にビデオ撮影することも求めている。

 その後、拒否者は運航業者に引き渡し、強制退去させる流れとなるが、永住者や日本人の配偶者がいるなど国内で生活する人は「戻る国」がなく、対応が問題になりそうだ。入管局幹部は「拒否者にも十分に説得を重ね、強制しなくてもすむよう努める」と話す。

 入管法に詳しい関係者によると、不法残留容疑などで外国人の違反調査を行い、指紋を採るのは任意が原則で、強制採取はほとんどないという。関係者は「拒否者は入国できない以上、危険が国内に持ち込まれることはない。さらに指紋を強制的に採取し強制退去者リストに保存する正当性はあるのか」と批判する。

 外国人の人権問題に詳しい田中宏・龍谷大教授は「全廃された外国人登録の際の指紋押なつ拒否についても、刑事罰のうえに再入国不許可という過剰な制裁を加えていた。今回の通知内容も法的根拠に乏しく、同様の発想による過剰制裁だ」と話している。



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Posted by TONTON at 13:40 │Comments( 0 ) 滋賀県外のニュース
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