外国人参政権付与 首相次第?
2008年10月06日
2007年11月27日、産経新聞
外国人参政権付与 首相次第? 公明に各党同調 自民反対派は沈黙
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071127/stt0711271001000-n1.htm
国会で過去9年間に廃案4回、継続審議22回とたなざらしが続いている「永住外国人に地方参政権を付与する法案」の成立に向け与野党が再び動き出した。議員立法で法案を提出している公明党が自民党への働きかけを強めているのに対し、かつて「国家主権にかかわる問題だ」と訴えてきた自民党反対派は沈黙している。福田康夫首相の判断次第では、公明党など推進勢力が目標とする来年の通常国会での成立への流れが加速する可能性がある。
永住外国人参政権の付与問題については21日の与党幹部会で、推進の旗振り役を務めてきた公明党の北側一雄幹事長が「参政権実現に向け動かしていくべきだ」と切り出したことが、再浮上へののろしとなった。
自民党の伊吹文明幹事長は「日韓議員連盟会長の森喜朗元首相と相談したい」とかわしたが、北側氏は幹部会後の記者会見でも「放置すると、日韓関係にヒビが入る要因になるとの危機感を持っている」と強い意欲を示し、「最近、森氏と話したが『このままではいけないな』と語っていた」とも指摘した。
唐突に映る北側氏の発言の伏線になったのが、7日に都内で開かれた在日本大韓民国民団(民団)主催の決起集会だった。「約5000人が参加した」(北側氏)とされる集会には北側氏や自民党の河村建夫広報本部長に加え、民主、共産、社民、新党日本各党の国会議員が出席した。
民団の要望を受けて河村氏は「(参政権付与は)これ以上放置できない問題だ」と強調し、民主党の白真勲参院議員も「小沢一郎代表は積極的に賛成しており、党で反対する議員はいない」と気勢を上げた。
集会には、福田首相の義兄で、日韓親善協会中央会理事長の越智通雄元衆院議員も駆けつけて法案成立を訴えたほか、平成10年に最初に法案を提出した公明党の冬柴鉄三国土交通相と、自民党幹事長時代に法案を推進した野中広務氏も激励のメッセージを贈った。
冬柴氏は昨年12月、参院決算委員会の答弁で、韓国で17年に永住外国人の地方参政権を認める法律が成立したことによる相互主義を持ち出し「限りなく日本国民と近い生活を営む人たちには地方の選挙権を与えてもいいのではないか」と訴えたほどだ。
12年には公聴会を開くところまで進んだ法案審議だが、「地方選を含め参政権は国民固有の権利」との批判が自民党内から噴出した。当時、法案反対の中心にいたのが平沼赳夫元経済産業相だった。平沼氏はその後、郵政民営化反対で自民党を離党したことに加え、小泉、安倍両政権で法案成立に向けた動きが沈静化していたことで、反対派の動きも止まっている。
一方、首相はこれまで官房長官時代を含め外国人参政権への姿勢を明確にしていない。新テロ対策特別措置法案が当面の焦点となっているなか、「党内で反対論が根強い外国人参政権法案を首相が主導することはない」(自民党閣僚経験者)との見方が強い。
とはいえ、参院では外国人参政権に比較的熱心な野党が過半数を占めており、「外国人参政権法案に強硬に反対した安倍晋三前首相と対極にある」(自民党中堅)と指摘される首相が、積極的に取り組む可能性も捨てきれない。
【用語解説】永住外国人の地方参政権付与法案
国内に永住する外国人に対し、地方議会議員選挙や首長選挙に関する選挙権を付与する法案。国交のない北朝鮮籍は対象外としている。平成7年2月の最高裁判決が「法律で地方選挙権を付与するのは憲法上禁止されていない」との解釈を示したことで政治的に動き出し、公明党は過去5回法案を提出した。民主党や共産党も法案を提出したことがある。
外国人参政権付与 首相次第? 公明に各党同調 自民反対派は沈黙
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071127/stt0711271001000-n1.htm
国会で過去9年間に廃案4回、継続審議22回とたなざらしが続いている「永住外国人に地方参政権を付与する法案」の成立に向け与野党が再び動き出した。議員立法で法案を提出している公明党が自民党への働きかけを強めているのに対し、かつて「国家主権にかかわる問題だ」と訴えてきた自民党反対派は沈黙している。福田康夫首相の判断次第では、公明党など推進勢力が目標とする来年の通常国会での成立への流れが加速する可能性がある。
永住外国人参政権の付与問題については21日の与党幹部会で、推進の旗振り役を務めてきた公明党の北側一雄幹事長が「参政権実現に向け動かしていくべきだ」と切り出したことが、再浮上へののろしとなった。
自民党の伊吹文明幹事長は「日韓議員連盟会長の森喜朗元首相と相談したい」とかわしたが、北側氏は幹部会後の記者会見でも「放置すると、日韓関係にヒビが入る要因になるとの危機感を持っている」と強い意欲を示し、「最近、森氏と話したが『このままではいけないな』と語っていた」とも指摘した。
唐突に映る北側氏の発言の伏線になったのが、7日に都内で開かれた在日本大韓民国民団(民団)主催の決起集会だった。「約5000人が参加した」(北側氏)とされる集会には北側氏や自民党の河村建夫広報本部長に加え、民主、共産、社民、新党日本各党の国会議員が出席した。
民団の要望を受けて河村氏は「(参政権付与は)これ以上放置できない問題だ」と強調し、民主党の白真勲参院議員も「小沢一郎代表は積極的に賛成しており、党で反対する議員はいない」と気勢を上げた。
集会には、福田首相の義兄で、日韓親善協会中央会理事長の越智通雄元衆院議員も駆けつけて法案成立を訴えたほか、平成10年に最初に法案を提出した公明党の冬柴鉄三国土交通相と、自民党幹事長時代に法案を推進した野中広務氏も激励のメッセージを贈った。
冬柴氏は昨年12月、参院決算委員会の答弁で、韓国で17年に永住外国人の地方参政権を認める法律が成立したことによる相互主義を持ち出し「限りなく日本国民と近い生活を営む人たちには地方の選挙権を与えてもいいのではないか」と訴えたほどだ。
12年には公聴会を開くところまで進んだ法案審議だが、「地方選を含め参政権は国民固有の権利」との批判が自民党内から噴出した。当時、法案反対の中心にいたのが平沼赳夫元経済産業相だった。平沼氏はその後、郵政民営化反対で自民党を離党したことに加え、小泉、安倍両政権で法案成立に向けた動きが沈静化していたことで、反対派の動きも止まっている。
一方、首相はこれまで官房長官時代を含め外国人参政権への姿勢を明確にしていない。新テロ対策特別措置法案が当面の焦点となっているなか、「党内で反対論が根強い外国人参政権法案を首相が主導することはない」(自民党閣僚経験者)との見方が強い。
とはいえ、参院では外国人参政権に比較的熱心な野党が過半数を占めており、「外国人参政権法案に強硬に反対した安倍晋三前首相と対極にある」(自民党中堅)と指摘される首相が、積極的に取り組む可能性も捨てきれない。
【用語解説】永住外国人の地方参政権付与法案
国内に永住する外国人に対し、地方議会議員選挙や首長選挙に関する選挙権を付与する法案。国交のない北朝鮮籍は対象外としている。平成7年2月の最高裁判決が「法律で地方選挙権を付与するのは憲法上禁止されていない」との解釈を示したことで政治的に動き出し、公明党は過去5回法案を提出した。民主党や共産党も法案を提出したことがある。
外国籍児童:31人不就学 県教委が初の独自調査
2008年10月06日
毎日新聞 2007年11月27日
外国籍児童:31人不就学 県教委が初の独自調査--9月現在 /滋賀
小1~中3に相当する年齢の外国籍児童が学校に通っていない不就学問題で、県教委は今年初めて独自調査をし、県内で31人(9月現在)が不就学状態にあることが分かった。県内の外国人支援に取り組むNPO法人「インターナショナル滋賀」の松井高代表は「初めて取り組んだことは評価できる。これを機に県教委がリーダーシップを取り、数年かけた追跡調査や家庭訪問など具体的な対策に取り組んでほしい」と訴えかけている。【蒔田備憲】
◇支援団体「数年かけ追跡を」
昨年、文部科学省が滋賀県など全国12自治体で行った「外国人の子どもの不就学の実態調査」を受け、県教委が今年から実施。9月1日時点で各市町教委を通じて調べた結果をまとめた。
昨年の同省の調査では▽就学年齢(小1~中3)の外国人登録者数は1833人▽公立学校の通学者は1235人▽外国人学校などの通学者は303人--などで、不就学は57人に。県教委が今年、これらの児童生徒を追跡調査したところ、引き続き不就学だったのは数人にとどまった。
一方、今年の県の独自調査では▽就学年齢の登録者数は1978人▽公立学校の通学者は1328人▽外国人学校の通学者は約350人。昨年とは調査時期も方法も違ううえ、一人一人の調査にかけた時間に各市町で差があるため、単純比較はできないが、県教委は「20人以上の新たな不就学者を把握できた。家庭訪問などを通じ、何らかの教育を受けることができるよう、保護者に呼びかけたい」としている。
この調査結果に対し、インターナショナル滋賀は▽戸別訪問をきちんと繰り返したのか▽不登校状態の子どもも調べたのか▽親から「外国人学校に入れる」「他市町に引っ越す」などと報告を受けた時点で追跡調査していないのでは--などと疑問点を指摘する。
松井代表は「日本人の子どもなら定期的に連絡を取ったり、家庭訪問するはず。外国人に、それができないのは予算の問題ではないはずだ」とし、外国籍の子どもの不就学問題に本腰を入れるよう訴えた。
外国籍児童:31人不就学 県教委が初の独自調査--9月現在 /滋賀
小1~中3に相当する年齢の外国籍児童が学校に通っていない不就学問題で、県教委は今年初めて独自調査をし、県内で31人(9月現在)が不就学状態にあることが分かった。県内の外国人支援に取り組むNPO法人「インターナショナル滋賀」の松井高代表は「初めて取り組んだことは評価できる。これを機に県教委がリーダーシップを取り、数年かけた追跡調査や家庭訪問など具体的な対策に取り組んでほしい」と訴えかけている。【蒔田備憲】
◇支援団体「数年かけ追跡を」
昨年、文部科学省が滋賀県など全国12自治体で行った「外国人の子どもの不就学の実態調査」を受け、県教委が今年から実施。9月1日時点で各市町教委を通じて調べた結果をまとめた。
昨年の同省の調査では▽就学年齢(小1~中3)の外国人登録者数は1833人▽公立学校の通学者は1235人▽外国人学校などの通学者は303人--などで、不就学は57人に。県教委が今年、これらの児童生徒を追跡調査したところ、引き続き不就学だったのは数人にとどまった。
一方、今年の県の独自調査では▽就学年齢の登録者数は1978人▽公立学校の通学者は1328人▽外国人学校の通学者は約350人。昨年とは調査時期も方法も違ううえ、一人一人の調査にかけた時間に各市町で差があるため、単純比較はできないが、県教委は「20人以上の新たな不就学者を把握できた。家庭訪問などを通じ、何らかの教育を受けることができるよう、保護者に呼びかけたい」としている。
この調査結果に対し、インターナショナル滋賀は▽戸別訪問をきちんと繰り返したのか▽不登校状態の子どもも調べたのか▽親から「外国人学校に入れる」「他市町に引っ越す」などと報告を受けた時点で追跡調査していないのでは--などと疑問点を指摘する。
松井代表は「日本人の子どもなら定期的に連絡を取ったり、家庭訪問するはず。外国人に、それができないのは予算の問題ではないはずだ」とし、外国籍の子どもの不就学問題に本腰を入れるよう訴えた。
入国審査:来日外国人の指紋採取スタート
2008年10月06日
毎日新聞 2007年11月20日
入国審査:来日外国人の指紋採取スタート 「仕方ない」「なぜ」交錯 退去者ゼロ
http://mainichi.jp/photo/news/20071120k0000e040046000c.html
◇23空港・5港で
16歳未満や特別永住者らを除く来日外国人から指紋・顔写真採取を義務付ける新しい入国審査制度が20日、全国の空港と港で始まった。テロや不法入国防止が目的だが、外国人の人権制約に対し反発も予想される。入国時に一律に指紋を採取するのは04年に米国が導入して以来、世界で2番目となる。【坂本高志】
指紋などの生体情報の採取を柱とする改正入管法は昨年5月、成立。法相がテロリストと認定した者の強制退去規定もある。電磁的に採取した両人さし指の指紋などは、その場で指名手配者の情報(約1万4000件)や過去の強制退去者の指紋(約80万件)の「要注意リスト」と照合する。
また、生体情報は法務省入国管理局がコンピューターで管理し、捜査当局からの照会があれば犯罪捜査にも利用される。政府は例年の入国者数から、毎年600万~700万人分の情報が蓄積されるとみている。日本弁護士連合会や外国人団体などは指紋採取に反対し「採取したとしても照合を完了した時点で消去すべきだ」と主張している。
この日、航空機や船舶が入ってくるのは23の空港と5港。午前9時現在、採取を拒否して国外退去を命じられた外国人や、要注意リストと一致したのはゼロだった。また、日本人が指紋を登録すれば、迅速に成田空港から出入国できる「自動化ゲート」の受け付けも始まった。
◇機械不調、1時間半かかった人も
航空旅客の6割近くを占める成田空港にはこの日、午前6時過ぎに最初の便が到着。各国からの観光客やビジネスマンらが審査ブースに降り立ち、指紋の採取や顔写真の撮影に応じた。
パキスタンのアハマド・シャキルさん(43)は「日本では初めての試みなので、審査する側も不慣れなのでしょう。少し時間がかかっても安全のためなら仕方ない」と理解を示した。一方、カナダのルーシー・キャッセさん(61)は「治安のためかもしれないが、指紋を採られると人権の問題も感じる。早く入国したいのに待つのにうんざりした」と顔をしかめた。
指紋と顔写真を電磁的に読み取る装置は、全国の空港や海港に携帯用も含めて約540台を配備。六つの国・地域の文字で使用法を説明している。採取から要注意リストとの照合まで通常、30秒~1分程度で完了し、全体の審査終了まで最長待ち時間を20分以内にするのが政府目標だ。
それでも、指紋の読み取りがスムーズにいかずに入力操作を何度も繰り返す入国者も少なくなかった。朝の混雑する時間帯には長い列もでき、いらだつ人も。シンガポールから到着したオーストラリアのポール・ヌンテンさん(42)は機械の調子が悪く別の列に移ったため入国審査が終わったのが1時間半後。「こんなのばかげている」と疲れた表情。同様の審査制度を導入している米国のジュリー・ブームさん(30)は「両手の人さし指を機械に置くだけで簡単。全然気にならない」と話した。
◇在日韓国人ら、法務省前デモ
一方、東京・霞が関の法務省前では、制度に反対する市民団体や外国人ら約60人が「外国人はテロリストじゃない!」、「指紋押なつにNO」などのプラカードを掲げ、デモを行った。在日韓国人の青年はマイクで「長い年月をかけて指紋押なつ制度を全廃した歴史を忘れ、再び外国人を差別するのは許されない」と訴えた。【坂本高志、鈴木梢】
-----------------------
外国人指紋採取:「拒否者には強制力行使も」…法務省通知
http://mainichi.jp/select/world/news/20071121k0000m040176000c.html
テロ対策などのため、20日始まった来日外国人に指紋提供を義務付ける入国審査制度で、法務省入国管理局が、指紋提供と退去を拒否する外国人は収容し強制的に採取するよう地方の各入国管理局に通知していたことが分かった。同制度について、法務省は強制的に指紋採取はしないとして「提供」と説明してきたが、拒否者に対して強制力で臨む措置を指示した形だ。「外国人を犯罪者扱いする運用」との批判が強まりそうだ。
指紋の採取や顔写真の撮影は、空港、港での入国審査時に実施し、その場で入管が保有する過去の強制退去者、国際指名手配犯などのリストと照合。一致した者は入国拒否され、提供拒否も国外退去となる。退去命令にも従わない場合、入管は強制退去手続きに移行し、身柄を空港内の収容場に収容する。その際に指紋を採るかどうかは明らかにされてなかった。
ところが、今月上旬に出た法務省入管局警備課長通知は「保安上の必要がある時は身体検査できる」などの入管法の規定を根拠に、入国警備官に強制力をもって拒否者から指紋を採取するよう指示。同時にビデオ撮影することも求めている。
その後、拒否者は運航業者に引き渡し、強制退去させる流れとなるが、永住者や日本人の配偶者がいるなど国内で生活する人は「戻る国」がなく、対応が問題になりそうだ。入管局幹部は「拒否者にも十分に説得を重ね、強制しなくてもすむよう努める」と話す。
入管法に詳しい関係者によると、不法残留容疑などで外国人の違反調査を行い、指紋を採るのは任意が原則で、強制採取はほとんどないという。関係者は「拒否者は入国できない以上、危険が国内に持ち込まれることはない。さらに指紋を強制的に採取し強制退去者リストに保存する正当性はあるのか」と批判する。
外国人の人権問題に詳しい田中宏・龍谷大教授は「全廃された外国人登録の際の指紋押なつ拒否についても、刑事罰のうえに再入国不許可という過剰な制裁を加えていた。今回の通知内容も法的根拠に乏しく、同様の発想による過剰制裁だ」と話している。
入国審査:来日外国人の指紋採取スタート 「仕方ない」「なぜ」交錯 退去者ゼロ
http://mainichi.jp/photo/news/20071120k0000e040046000c.html
◇23空港・5港で
16歳未満や特別永住者らを除く来日外国人から指紋・顔写真採取を義務付ける新しい入国審査制度が20日、全国の空港と港で始まった。テロや不法入国防止が目的だが、外国人の人権制約に対し反発も予想される。入国時に一律に指紋を採取するのは04年に米国が導入して以来、世界で2番目となる。【坂本高志】
指紋などの生体情報の採取を柱とする改正入管法は昨年5月、成立。法相がテロリストと認定した者の強制退去規定もある。電磁的に採取した両人さし指の指紋などは、その場で指名手配者の情報(約1万4000件)や過去の強制退去者の指紋(約80万件)の「要注意リスト」と照合する。
また、生体情報は法務省入国管理局がコンピューターで管理し、捜査当局からの照会があれば犯罪捜査にも利用される。政府は例年の入国者数から、毎年600万~700万人分の情報が蓄積されるとみている。日本弁護士連合会や外国人団体などは指紋採取に反対し「採取したとしても照合を完了した時点で消去すべきだ」と主張している。
この日、航空機や船舶が入ってくるのは23の空港と5港。午前9時現在、採取を拒否して国外退去を命じられた外国人や、要注意リストと一致したのはゼロだった。また、日本人が指紋を登録すれば、迅速に成田空港から出入国できる「自動化ゲート」の受け付けも始まった。
◇機械不調、1時間半かかった人も
航空旅客の6割近くを占める成田空港にはこの日、午前6時過ぎに最初の便が到着。各国からの観光客やビジネスマンらが審査ブースに降り立ち、指紋の採取や顔写真の撮影に応じた。
パキスタンのアハマド・シャキルさん(43)は「日本では初めての試みなので、審査する側も不慣れなのでしょう。少し時間がかかっても安全のためなら仕方ない」と理解を示した。一方、カナダのルーシー・キャッセさん(61)は「治安のためかもしれないが、指紋を採られると人権の問題も感じる。早く入国したいのに待つのにうんざりした」と顔をしかめた。
指紋と顔写真を電磁的に読み取る装置は、全国の空港や海港に携帯用も含めて約540台を配備。六つの国・地域の文字で使用法を説明している。採取から要注意リストとの照合まで通常、30秒~1分程度で完了し、全体の審査終了まで最長待ち時間を20分以内にするのが政府目標だ。
それでも、指紋の読み取りがスムーズにいかずに入力操作を何度も繰り返す入国者も少なくなかった。朝の混雑する時間帯には長い列もでき、いらだつ人も。シンガポールから到着したオーストラリアのポール・ヌンテンさん(42)は機械の調子が悪く別の列に移ったため入国審査が終わったのが1時間半後。「こんなのばかげている」と疲れた表情。同様の審査制度を導入している米国のジュリー・ブームさん(30)は「両手の人さし指を機械に置くだけで簡単。全然気にならない」と話した。
◇在日韓国人ら、法務省前デモ
一方、東京・霞が関の法務省前では、制度に反対する市民団体や外国人ら約60人が「外国人はテロリストじゃない!」、「指紋押なつにNO」などのプラカードを掲げ、デモを行った。在日韓国人の青年はマイクで「長い年月をかけて指紋押なつ制度を全廃した歴史を忘れ、再び外国人を差別するのは許されない」と訴えた。【坂本高志、鈴木梢】
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外国人指紋採取:「拒否者には強制力行使も」…法務省通知
http://mainichi.jp/select/world/news/20071121k0000m040176000c.html
テロ対策などのため、20日始まった来日外国人に指紋提供を義務付ける入国審査制度で、法務省入国管理局が、指紋提供と退去を拒否する外国人は収容し強制的に採取するよう地方の各入国管理局に通知していたことが分かった。同制度について、法務省は強制的に指紋採取はしないとして「提供」と説明してきたが、拒否者に対して強制力で臨む措置を指示した形だ。「外国人を犯罪者扱いする運用」との批判が強まりそうだ。
指紋の採取や顔写真の撮影は、空港、港での入国審査時に実施し、その場で入管が保有する過去の強制退去者、国際指名手配犯などのリストと照合。一致した者は入国拒否され、提供拒否も国外退去となる。退去命令にも従わない場合、入管は強制退去手続きに移行し、身柄を空港内の収容場に収容する。その際に指紋を採るかどうかは明らかにされてなかった。
ところが、今月上旬に出た法務省入管局警備課長通知は「保安上の必要がある時は身体検査できる」などの入管法の規定を根拠に、入国警備官に強制力をもって拒否者から指紋を採取するよう指示。同時にビデオ撮影することも求めている。
その後、拒否者は運航業者に引き渡し、強制退去させる流れとなるが、永住者や日本人の配偶者がいるなど国内で生活する人は「戻る国」がなく、対応が問題になりそうだ。入管局幹部は「拒否者にも十分に説得を重ね、強制しなくてもすむよう努める」と話す。
入管法に詳しい関係者によると、不法残留容疑などで外国人の違反調査を行い、指紋を採るのは任意が原則で、強制採取はほとんどないという。関係者は「拒否者は入国できない以上、危険が国内に持ち込まれることはない。さらに指紋を強制的に採取し強制退去者リストに保存する正当性はあるのか」と批判する。
外国人の人権問題に詳しい田中宏・龍谷大教授は「全廃された外国人登録の際の指紋押なつ拒否についても、刑事罰のうえに再入国不許可という過剰な制裁を加えていた。今回の通知内容も法的根拠に乏しく、同様の発想による過剰制裁だ」と話している。
外国人研修生:特区42社、認定取り消し 内閣府、廃止も視野
2008年10月06日
毎日新聞、2007年10月4日付
http://mainichi.jp/kansai/news/20071004ddn001040003000c.html
外国人研修生:特区42社、認定取り消し 内閣府、廃止も視野--愛媛3市
小泉改革の目玉として始まった構造改革特区の一つ「外国人研修生受け入れ特区」(愛媛県)で、中国人研修生の失踪(しっそう)や悪質な賃金不払いなどトラブルが相次いでいることが3日、毎日新聞の調べで分かった。内閣府特区推進室はトラブルのあった42社の認定を取り消しているほか、特区自体の廃止も視野に、異例の実態調査に乗り出した。
同特区は03年11月、「地場産業の高度な技術を移転し、国際貢献する」ことなどを目的に、現在の今治、新居浜、西条3市域でスタートした。研修生の受け入れ上限を1社につき「外国人研修・技能実習制度」の2倍の毎年6人(滞在期限3年)と設定。タオル製造や被服縫製、造船関係の中小企業(従業員50人以下)のうち、3年以上の受け入れ実績があり、トラブルのない「優良企業」を特区認定している。
失踪に不払い
トラブル多発
ところが認定企業の一部では、中国人研修生の失踪が少なくとも13件(1件1~5人)発生。タオル関連会社では05年12月から昨年1月までに実習生5人がいなくなり、うち2人が愛知県内の旋盤工場で不法就労していたことが発覚した。
賃金不払いを巡るトラブルも多発。縫製関連企業の社員は「多くが残業代を1時間300~400円に設定している」と証言。出来高払いで残業代を低く抑えるケースもあったという。
今治労働基準監督署も同様の手口や、時給を200円前後にしていた会社を確認。内閣府が処分したことなどで、ピーク時に69社あった認定企業は今年8月末時点で20社に激減している。
外国人研修生を巡っては、法務省入国管理局が06年、不正行為を認定した受け入れ団体・企業は過去最高の229機関。今年1月には岡山県で、インドネシア人研修生を不法入国・就労させていたとして、協同組合の代表理事が逮捕される事件もあった。
内閣府特区推進室の評価委員会は、類似の特区を抱える北海道内3地域と合わせ、ヒアリング調査を実施。来年1月に結果を報告する予定で、内容により特区の廃止を含め是正を指導するとみられる。【後藤直義】
http://mainichi.jp/kansai/news/20071004ddn001040003000c.html
外国人研修生:特区42社、認定取り消し 内閣府、廃止も視野--愛媛3市
小泉改革の目玉として始まった構造改革特区の一つ「外国人研修生受け入れ特区」(愛媛県)で、中国人研修生の失踪(しっそう)や悪質な賃金不払いなどトラブルが相次いでいることが3日、毎日新聞の調べで分かった。内閣府特区推進室はトラブルのあった42社の認定を取り消しているほか、特区自体の廃止も視野に、異例の実態調査に乗り出した。
同特区は03年11月、「地場産業の高度な技術を移転し、国際貢献する」ことなどを目的に、現在の今治、新居浜、西条3市域でスタートした。研修生の受け入れ上限を1社につき「外国人研修・技能実習制度」の2倍の毎年6人(滞在期限3年)と設定。タオル製造や被服縫製、造船関係の中小企業(従業員50人以下)のうち、3年以上の受け入れ実績があり、トラブルのない「優良企業」を特区認定している。
失踪に不払い
トラブル多発
ところが認定企業の一部では、中国人研修生の失踪が少なくとも13件(1件1~5人)発生。タオル関連会社では05年12月から昨年1月までに実習生5人がいなくなり、うち2人が愛知県内の旋盤工場で不法就労していたことが発覚した。
賃金不払いを巡るトラブルも多発。縫製関連企業の社員は「多くが残業代を1時間300~400円に設定している」と証言。出来高払いで残業代を低く抑えるケースもあったという。
今治労働基準監督署も同様の手口や、時給を200円前後にしていた会社を確認。内閣府が処分したことなどで、ピーク時に69社あった認定企業は今年8月末時点で20社に激減している。
外国人研修生を巡っては、法務省入国管理局が06年、不正行為を認定した受け入れ団体・企業は過去最高の229機関。今年1月には岡山県で、インドネシア人研修生を不法入国・就労させていたとして、協同組合の代表理事が逮捕される事件もあった。
内閣府特区推進室の評価委員会は、類似の特区を抱える北海道内3地域と合わせ、ヒアリング調査を実施。来年1月に結果を報告する予定で、内容により特区の廃止を含め是正を指導するとみられる。【後藤直義】