健康診断:在日ブラジル、ペルー人学校8割実施せず
2008年10月14日
毎日新聞 2007年12月14日
健康診断:在日ブラジル、ペルー人学校8割実施せず
http://mainichi.jp/photo/news/20071214k0000e040071000c.html
日系人の子どもを健康診断する医師たち。外国人学校の健康診断が課題になっている=群馬県伊勢崎市で、群馬大提供 ブラジル、ぺルーの外国人学校の約8割が日本の小中高校などで義務付けられている毎年の健康診断を行っていないことが、結城恵群馬大准教授(教育社会学)の研究チームの調査で分かった。保健室を設置した学校はわずか1校だった。子どもの健康管理が不十分な実態が、初めて明らかになった。
調査によると、小中高の学齢期の子どもが在籍する在日ブラジル、ペルー人学校は、昨年12月現在全国で86校。計約1万人の日系人の子どもが通う。昨年12月から全校にアンケートを行い、その後電話調査などをして、50校が回答した。 この結果、50校中毎年健康診断を実施している学校は12校(24%)。ほとんど実施していなかったり、家庭に任せている学校は38校(76%)だった。この中の2校は、「数年に一度やっている」と回答した。 子どもたちが学校で利用する保健室は、50校中1校しか設置していなかった。 未回答の36校のほとんども、健康診断をせず、保健室がないとみられる。 学校保健法では、国公立、私立の幼稚園や小・中・高校、大学に健康診断を義務付け、国公立には交付金が支給される。一方、外国人学校は各種学校に認定されても義務はなく、助成もない。 結城准教授によると、ブラジルでは医師が健康診断を実施することはほとんどなく、保健体育の教諭が健康状態を年2回チェックし、異常がみられた場合に医師と連携している。しかし、日本にあるブラジル人学校などでは、教諭によるチェックや医療指導もほとんどみられなかった。 健康診断を実施しない要因として、授業料が1人平均月4万~5万円と高額で、それ以上の出費を保護者が嫌う傾向があるという。 結城准教授は「多くが健康診断を実施しておらず、状況は深刻。感染症予防の観点からも必要で、国や自治体は早急に対策をとるべきだ」と話している。 ◇法対象から抜け落ちる 南米系学校の多くが健康診断を実施していないのは、「学校保健法」が各種学校や私塾に健康管理を義務付けていないからだ。 乳児から幼児までは「母子保健法」、労働者は「労働安全衛生法」、40歳以上は「老人保健法」で自治体や雇用者側などに健康診断を義務付けている。ところが、学齢期の子どもたちは、学習指導要領に沿った国公立や私立の学校に通わない限り、法律からすっぽり抜け落ちている。 この現状を問題視し、独自に健康診断を実施する自治体もある。今回の調査で毎年実施していた12校中10校は、自治体などから支援を受けていた。 群馬県では、02年から群馬大が希望校を対象に無償で健康診断を実施。神経系の病気やぜんそくなど治療の必要な子どもがいた。愛知県豊橋市も03年度から、問診表を配り健康状態をチェック。必要があれば、医師が学校を訪問する。 文部科学省国際課は「外国人学校に健康診断を義務付けるのは難しく、自治体や地域の協力が必要」と話す。しかし、自治体だけの支援は、財政事情から限界もあり、補助金を含めた国の統一的な施策が必要だ。【外国人就労問題取材班】
健康診断:在日ブラジル、ペルー人学校8割実施せず
http://mainichi.jp/photo/news/20071214k0000e040071000c.html
日系人の子どもを健康診断する医師たち。外国人学校の健康診断が課題になっている=群馬県伊勢崎市で、群馬大提供 ブラジル、ぺルーの外国人学校の約8割が日本の小中高校などで義務付けられている毎年の健康診断を行っていないことが、結城恵群馬大准教授(教育社会学)の研究チームの調査で分かった。保健室を設置した学校はわずか1校だった。子どもの健康管理が不十分な実態が、初めて明らかになった。
調査によると、小中高の学齢期の子どもが在籍する在日ブラジル、ペルー人学校は、昨年12月現在全国で86校。計約1万人の日系人の子どもが通う。昨年12月から全校にアンケートを行い、その後電話調査などをして、50校が回答した。 この結果、50校中毎年健康診断を実施している学校は12校(24%)。ほとんど実施していなかったり、家庭に任せている学校は38校(76%)だった。この中の2校は、「数年に一度やっている」と回答した。 子どもたちが学校で利用する保健室は、50校中1校しか設置していなかった。 未回答の36校のほとんども、健康診断をせず、保健室がないとみられる。 学校保健法では、国公立、私立の幼稚園や小・中・高校、大学に健康診断を義務付け、国公立には交付金が支給される。一方、外国人学校は各種学校に認定されても義務はなく、助成もない。 結城准教授によると、ブラジルでは医師が健康診断を実施することはほとんどなく、保健体育の教諭が健康状態を年2回チェックし、異常がみられた場合に医師と連携している。しかし、日本にあるブラジル人学校などでは、教諭によるチェックや医療指導もほとんどみられなかった。 健康診断を実施しない要因として、授業料が1人平均月4万~5万円と高額で、それ以上の出費を保護者が嫌う傾向があるという。 結城准教授は「多くが健康診断を実施しておらず、状況は深刻。感染症予防の観点からも必要で、国や自治体は早急に対策をとるべきだ」と話している。 ◇法対象から抜け落ちる 南米系学校の多くが健康診断を実施していないのは、「学校保健法」が各種学校や私塾に健康管理を義務付けていないからだ。 乳児から幼児までは「母子保健法」、労働者は「労働安全衛生法」、40歳以上は「老人保健法」で自治体や雇用者側などに健康診断を義務付けている。ところが、学齢期の子どもたちは、学習指導要領に沿った国公立や私立の学校に通わない限り、法律からすっぽり抜け落ちている。 この現状を問題視し、独自に健康診断を実施する自治体もある。今回の調査で毎年実施していた12校中10校は、自治体などから支援を受けていた。 群馬県では、02年から群馬大が希望校を対象に無償で健康診断を実施。神経系の病気やぜんそくなど治療の必要な子どもがいた。愛知県豊橋市も03年度から、問診表を配り健康状態をチェック。必要があれば、医師が学校を訪問する。 文部科学省国際課は「外国人学校に健康診断を義務付けるのは難しく、自治体や地域の協力が必要」と話す。しかし、自治体だけの支援は、財政事情から限界もあり、補助金を含めた国の統一的な施策が必要だ。【外国人就労問題取材班】
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